《ハイビスカス》 キャル画 (2020年) サイズF3 (W 27.30cm x H 22.00cm x D 1.80cm) 【説明】 背景の色調は法則性に則った色の並置ではなく画家の感覚を頼りに並置されたもので、より自然な形で描こうとしたハイビスカスに対して、画家の自由な思想が象徴されている部分かも知れない。 輪郭部だけ濃い緑色を高密度で並置させたことで陰影を生み、ハイビスカスの存在感を際立たすことに成功している。 写実的に描かれたハイビスカスに、自由な感覚によって並置された色彩が、鑑賞する人に点描特有の機械的で冷たい印象を与えることのない、陽気だが知的で繊細な、そんな印象を残す効果的な配色を生み出している。 【技法について】 1880年代にスーラが提唱した点描技法に影響を受けている。知的であり冷たく機械的でもある、一度見たら忘れ難い印象を与えるその表現が魅力的で、独学で点描画制作を始めた。アクリル画材を混色せずに細い筆先によってキャンバス上に点で並置させ、鑑賞者の網膜上で混色させることで、視覚の中で作品が完成するような表現を目指している。黒を使わずに黒(影)を表現し、白を使わずに白(光)を表現できるように心がけている。