「Gold Lion KT８８ Quad(特性の揃った四本組)」を出品いたします。この真空管は6極ビーム管であり、プッシュプル利用のアンプでは、出力は50W程度が可能です。出品される真空管は、Quad仕様なので、任意の二本を使用してプッシュプル回路が組めます。ppモノラルパワーアンプ二台、あるいはppステレオパワーアンプを製作することもできます。 KT88真空管自体は、現在日本製真空管などで利用しやすくなっていますが、何といっても英国製の「Gold Lion」が信頼性抜群といわれています。 今回出品されているKT88 Quadは、真空管オーディオファンにはよく知られた「Luxman」社のサービス工房で選別されたもので、この工房で品質管理にかなった性能を具有しています。Luxman社は一時、真空管にラツクスマンの刻印を入れたKT88真空管を供給していたようですが、この真空管はラックスマンの名は入っていません。私は、この真空管を次のような事情で入手し、試聴のために使用したのみで、新品同様な真空管です。 1980年前後にラックス社が販売していた真空管アンプ製作キット「Luxkit」に、A3600という製品がありました。私はこのキットを購入して製作し、真空管オーディオを楽しんでいました。このパワーアンプは、純国産の6極ビーム出力管8045G(新日本電気製造)をpp接続で組んだステレオパワーアンプでした。スイッチを入れると8045Gが明るく輝き、相当な発熱がありました。出力は50W+50Wで、真空管アンプとしては、そこそこの値といえます。ところが、ある時ラックス社からA3600愛用者に対して「お知らせ」が発表され、次のような内容でした。ラックス社のパワーアンプキット(A3600やモノラルアンプのA3000など)で使用されている8045Gの製造が中止されることになり、今後これらのアンプの修理に困難が予想されている。これを避けるため、ラックス社では、希望者に対して8045Gと性能が似ているKT88に真空管を換装するサービスを有償で実施します。 換装に要する費用もリーズブルだった(二万円程度だったかな？)ので、換装をお願いすべく、A3600をサービス工房に送った所、程なくしてKT88に換装されたA3600が戻ってきました。戻ってきたA3600を見てみると、金色のライオンの刻印の入った四本の真空管が所狭し(これが問題 !! )と挿入されていました。8045Gは細身の真空管だったのですが、KT88はやや太みの真空管です。A3600では、8045G四本を一列に並べて配置していましたので、そこにKT88を差し込むと、KT８８間の隙間は数mmとなっていました。もちろんこのままで十分に使用に耐えるパワーアンプと思いましたが、私は痩身の類似管6550Aに、さらに換装して利用することにしました。いまもこのA3600を所有していますが、ずっと6550Aが差されています。 このような事情でGold Lion KT88 QUAD仕様 四本をLuxmanサービス工房を介して入手したわけですが、その後視聴程度しか使用しておらず、新品同様です。ただし、換装の条件が、元の真空管セット(8045G四本他)を挿入した
（2022年 2月 6日 22時 18分 追加）
画像5に示したLuxkit A3600は、出品されている真空管が、元の8045GからKT88に換装されてきたパワーアンプを、参考までに挙げたものです。出品されているものは、このパワーアンプに差し込まれていた真空管KT88四本のみです。

（2022年 2月 9日 9時 30分 追加）
四本の真空管に金文字で記載されている製造番号は、全て「8224 Z」です。